中小企業は、大手企業とは異なる独自の特長を持つ一方で、少なからず倒産や給与が少ないなどの不安がついてまわることがあります。
まずは転職経験を持つ花岡さん(入社3年目)の視点から、大手と中小の違いについてお話しを伺いました。
新卒1年目での転職体験
―― 花岡さんって、メディアネットワークに転職で入社しているんですよね?
そうなんです。新卒で入社した会社は大手企業だったんですが、10ヶ月での早期退職をして当社に入社しました。
―― 新卒1年目での退職は勇気がいりますよね。なんで退職しようと思ったんですか?
入社する会社をネームバリューで選んでしまって、入社したら会社文化に合わなかったんですよね…。
就活生の時には若いうちにスキルや経験を身につけたいと思っていたこともあって、すごく素敵な環境に見えたんですよね。大手だったこともあり、福利厚生や安定性があって成長出来ると思って入社したんですけど、やりたいと思ったことを言っても承認に時間がかかってしまったり、色んなことがガチガチに決まっていて先輩や上司もそんな組織のしがらみに苦しんでいたんです。傍から見ていても、全然幸せそうじゃなかったんですよね。私も一年目にしてそんな環境で仕事をすることが辛くなってきて、これはまずいなと。
―― それで、転職を決めたと。
そうですね。自分のやりたい仕事が少しクリアに見えてきたこともあって、大手中小問わず、色んな企業を見ていました。最終的には当社に決めたんですが、選考の中で会社のことが良く分かったので、この会社も早期離職になってしまうんじゃ…という不安はなかったですね。もちろん大手から中小企業への転職ということで、親には安定性を心配されることはありましたけど、フジテレビグループのバックグラウンドがあったり、福利厚生面のこと等もしっかり話をして理解を得られたので、安心して入社できました。
―― とはいえ、大手にも良いところがあったんじゃないですか?
大手企業はネームバリューもあるし、安定性が高いのは魅力でしたね。親も知っている企業なので安心していましたし、大手というだけで得られる安心感もあったと思います。同期も多かったので、仕事上の悩みや職場の人間関係で困ったときに相談し合える人が多いのもメリットですね。マニュアルや研修体制が整備されていて、仕事のやり方が詳細に決められているので、新人でも迷わないということはありました。
―― そうなんですね。転職して中小企業に入社した時の印象はどうでしたか?
社長や役員との距離が近くてびっくりました(笑)。前職では社長の顔すら見たことなかったのに、オフィスエリアで一緒に仕事をしていて、新入社員と隣同士で働いているんです。一緒にランチに行くこともあったりして。その話を前職の同期にしたらびっくりされました!ランチは、仕事の話だけではなく色々な話が出来るので楽しいですね。私のような若手とも距離が近いからこそ、考えやビジョンを直接お聞きすることが出来たり、自分の意見を直接伝えられる関係性なので、前の会社の時のようにやりたいことがあっても伝わっていかない…みたいなもどかしさがないのも嬉しいです。自分が会社の一員であることを実感できますね。
―― なるほど、それは大手に負けない魅力ですね。
はい。正直、新卒の時は大手企業しか考えてなくて、中小企業は不安定なんだろうなと漠然と感じていました。
―― 入社前は大手から中小企業に転職することに不安はありませんでしたか?
私というよりかは、親が特に心配していましたね。でも、当社は黒字経営で安定しているし、福利厚生や手当も充実しているし、働き方も柔軟だし。それに何よりも、社員同士の仲が良くて助け合っている雰囲気があって、すごく居心地が良いって話をしていたら、親も安心したみたいで今では応援してくれています。
―― それは素敵ですね。では最後に、花岡さんが思う自社の魅力を一言で!
「自分らしく働ける」ですね。自分のやりたいことや得意なことを活かせるし、自分の意見やアイデアを出せるし、自分のペースで働ける、今は毎日の仕事が楽しくてしょうがないです。転職して良かったと心から思いますね。
―― 転職の経緯も赤裸々に話していただき、ありがとうございました!
続いては、月岡社長にインタビュー。中小企業の現実や課題、将来の展望について、どのように取り組んでいるのかを伺いました。
社員との信頼関係をつくる、
メディアネットワークが示す安心できる働き方への取り組み
―― まず初めに、会社の安定性について。設立の経緯はお聞きしましたが、
御社は設立から30年以上経っており、30期連続(※2023年度実績)での黒字経営を続けていらっしゃいますよね。
はい。有難いことにこれまでリーマンショックや東日本大震災、コロナ禍といったさまざまな国難がありましたが、僕らは赤字転落することなく経営を続けてくることができました。
――どういった理由からなのでしょうか?
月岡:
もちろん、これまで一緒に働いてきてくれた社員の頑張りのおかげというのは言うまでもありません。僕らは中小企業ではあるけれど、フジミックをはじめとした大手顧客を抱えている強みもあります。それに3事業展開をしているので、事業のリスク分散が出来ていたのは大きいですね。世の中の変化にあわせて迅速かつ柔軟に体制を変更して、新しいことへのチャレンジも続けることで乗り越えられたのかなと。
――単刀直入に伺いますが、財務体質というのはいかがでしょうか?
僕が事業承継をした2011年は借り入れも多く、正直盤石ではなかったんです。社長としてのまず第一歩は財務体質の改善だなと思って、財務の強化に取り組みました。今では借り入れも返済し、無借金経営を続けています。
――それは与信面でも安心ですね。
外部機関である帝国データバンクと東京商工リサーチからも、安定性を評価してもらっています。評価機関からの高い信頼は、お客様やパートナー企業に対しても安心感になりますよね。
――財務体質を強化することに対して、どういう思いがあったのでしょうか?
社員が安心して働ける会社をつくる、というのが一番です。事業承継をした当時は、安心して生活の保障を社員にしてあげられなかった。特に2011年だったこともあって、僕は天災に対する備えは人一倍意識しているかもしれません。経済的、将来的な不安を払拭しないと雇用の継続や採用はできないですからね。
―― 社員への保障体制というのは、具体的にどんな取り組みをされているのでしょうか?
例えば、当社では不測の事態により万が一会社が無稼働になったとしても、社員に生活給を3年間は支払っていけるだけの預貯金を確保するということを目標にしていて、目標額まであとわずかのところです。給与のベースアップやインフレ手当など、社員の満足度向上にも力を入れており、仕事へのモチベーションを高める努力は惜しまないよう心がけていますね。
――社員にとっては安心なことですね。その他にも不測の事態への取り組みはありますか?
東日本大震災と同じくらい大きな転換点はコロナ禍でしたね。社員の安全を確保しつつ、仕事を止めないための環境整備も一気に進みました。これまでも取り組んでいた業務に使用するノートPCやスマートフォンの貸与に加え、全社員にモバイルモニターを配布。在宅勤務も長期化しましたから。社員が自宅で仕事をしやすいように環境を整備する補助やテレワークを制度化したり、柔軟な働き方の導入もその一環です。
――リスク対策という点ではいかがでしょうか。
予測が難しい時代なので、リスク対策は慎重に取り組んでいますね。社員一人ひとりや家族の不測の事態への対応として、入社3年目以降の社員は養老保険に加入しています。何事もなく働き続けられるなら、それは退職金として支給するための原資にもなっています。地震や火災、サイバーリスクなどに備えての保険加入や、中小企業倒産防止共済の積み立ても行っており、リスク対策は意識しています。社員の安全対策という点では、本社に災害時の備蓄や救急品を用意しています。
―― 社員にとっては非常に心強い体制に感じます。それらのリスク対策は企業の安定性を向上させるために欠かせないものになりそうですね。しかも財務の強化に留まらず、どうしたら社員の安定と成長に繋がるのかという面に、力を入れていることが伺えます。
会社の基盤を固めることは非常に重要ですが、それだけでは話になりません。一緒に働いてもらう仲間がいなければ、会社の成長はありませんから。だからこそ、財務の安定性を確保しつつ、社員にプラスαを提供し、成長に向けてサポートすることを大切に考えています。
でも正直に言うと、退職してしまう社員もいます。もちろん一緒に頑張って働いてきた仲間なので残念ですが、辞めた人は笑顔で送り出しながら、違う環境でも笑顔で成功する姿を見たいとも思っています。残っている社員には、俺もあの時辞めとけばよかったって思わせたくありません。辞めていった社員に「辞めなければよかった」と思ってもらえるように、共に成長し、成功する環境を提供したいと思っています。そういって実際に戻ってきてくれた社員もいますしね。
登場社員プロフィール
代表取締役社長
月岡 祐二
■入社年月
2002年11月
■プライベートの近況
疎遠だった高校時代の仲良かった友人と定期的に会うようになった
■最近の仕事で嬉しかったこと
はにかんだ笑顔と共に受注報告を受けたこと
コーポレート事業 総務職(採用担当)
花岡 みなみ
■入社年月
2022年1月
■プライベートの近況
計画的に貯金をして、念願のハワイ旅行に行ってきました!
■最近の仕事で嬉しかったこと
次の4月に入社する内定者と色々なお話ができたこと。